
わざわざ“ボロ宿”を探して旅を続ける著者の人気ブログに
書き下ろしネタも加えた新編集版!!
“ボロ宿”はすごく魅力的
いつの頃からか“ボロ宿”に憧れ、わざわざ訪ねて旅をするようになっていました。この場合の“ボロ宿”は、決して悪口ではありません。歴史的価値のある宿から古い安宿までをひっくるめ、愛情を込めて“ボロ宿”と呼び、私にとっては最高の褒め言葉なのです。
仕事柄、地方に出張に出ることも多く、いつも古い商人宿や鄙びた湯治宿を探してしまいます。子供の頃、かいま見たつげ義春の影響もあるかもしれません。旅行が好きなのであちこち出かけたいけれど、お金がないので安い宿を探す。そういうことからボロ宿と出会ってきた面もあります。
大戦や高度経済成長を経て古き良き宿文化は失われ、残っているのはそのわずかな名残りなのかもしれません。ボロ宿に惹かれるのは、消えゆくものへの郷愁でしょうか。古い建物を守りつつ昔ながらの営業を続けている宿を見ると、たまらない魅力を感じてしまうのです。(はじめの言葉より)

第1章 明治の遊郭が転業した宿
初日の宿は、明治31年創業の遊廓『新陸奥楼』が戦後に転業したもので、木造2階建ての随所に華やかな雰囲気が残っています。
玄関を入ると広い土間があり、奥のあがりに続く柱や床板は黒光りしていました。踊り場でY字型に分かれる凝った造りの階段もあり、まるで映画のセットのような雰囲気です。
もう一歩足を踏み入れた瞬間、嬉しくなりました。聞けば実際に映画のロケも行われたことがあるそうです。(青森「新むつ旅館」)

第3章 廃墟のようなホラー系温泉宿
見る間に雨が強くなってきましたが、そんなことを気にしている場合じゃありません。旅館があるべき場所に、衝撃的な建物が建っていたのです。
キター!と思わず叫びたくなるほどのボロさで、宿というよりただの廃墟のよう。
斜面に建っているため、見えている部分が2階にあたり、谷底の下に1階がありました。もう、見てる間にも崩れ落ちそうです。壁がない2階の部屋を覗けば、日本人形が寂しげに転がっていたり不気味なムード満載です。(那須温泉「喜楽旅館」)

第8章 三代家光の時代から続く宿場町の宿
ちょっと宿の内部を偵察しようと階下におりると、じいちゃんがいました。何気なく宿の歴史を尋ねると、なんと家光の時代から3百年以上前に建てられたと言うではありませんか。昭和に建て替えたものの、一部、江戸時代の階段や部屋などもそのまま残っているとのこと。
「ほらそこの階段なんか、江戸時代のまんまですよ。建て替えのときに取り壊そうと思ったんだけど、うちのが残しておこうと言ったもんでね」(鳥取「河内屋旅館」)
ブログについて
ブログとして約1年半運営されてきた旅エッセイ「日本ボロ宿紀行」の書籍化。
「日本ボロ宿紀行」は、アメーバブログで2009年10月にスタートし、2010年9月にライブドア主催の「ブログ奨学金」第一期生に選抜され、2010年10月にライブドアブログに移転。
現在移転後約3か月で総アクセス数は21万件程度。平均して1日のアクセスは2000から3000件程度。
ウェブサイトなどで紹介されたり、特定の記事がツイッターで話題になるとアップする。
「ブログ奨学金」は、月間ページビュー1万件以上のブログを対象に「得意分野や専門分野の情報を発信することで、世の中の役に立つオリジナルコンテンツを提供したい」人を支援しようとする新制度。
約1700件の応募があり、その中から26件が選ばれた。
内訳は特待生300万円が1件、第一種120万円は該当者なし、第二種60万円が2件、第三種30万円が26件。
「日本ボロ宿紀行」は第二種に選ばれた。ライブドアの発表では「日本ボロ宿紀行」について「日本各地の湯治宿、駅前旅館、宿場町など、古い日本の風情を残した“ボロ宿”を訪ね歩く、現代の“つげ義春”的ブログ」と紹介されている。






























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