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投稿レビュー (投稿数:46件)

  1. 自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか

    挑戦する前から諦めるな
    この本を読んで、まるで岡本太郎を師に持ったような感覚が、体に満ちている。挑戦するエネルギーを何よりも大切にされた一流の芸術家の力強い激励が、あなたの耳にもきっと聞こえてくるだろう。

    彼が我が道を貫いて生きてこれたのは、才能も、自信もあって、彼が特別であったからと、人びとは言う。でも、彼はそのどこか甘えたものの見方を一蹴して、こう言う。人間には、才能も、自信も必要ない。ただ必要なのは、一瞬一瞬の命を燃やしつくし、「間違った生き方」「困難な生き方」こそ選んでいくべきだ、と。

    自分の生き方にどこか疑問を感じ、魂の置きどころに悩んでいる人、特に若者は、迷わず手にとって読んでみてほしい。岡本太郎の生き方に、情熱に、元気がモリモリっと湧いてくる本。
  2. 三四郎

    色褪せない青春小説の傑作
    熊本から大学入学を機に上京してきた三四郎は、不思議な魅力を持ったみやこに強く惹かれながらも、自分の気持ちを素直に表現することができない。

    都会での慣れない生活や、学問に、恋にとに三四郎は振り回されるようにして毎日を生き抜いていく。

    自分より一枚も、二枚もうわてに思われるみやこに対して三四郎は、次第に、みやこが自分を愚弄しているのではないかと思い始める。それでも、彼の彼女への恋心は日増しに募っていくばかりであるようだ。

    三四郎の初恋は結局破れて終わるのだが、その間の様々な葛藤にわれわれは共感せずにいられないだろう。何しろ、みやこの心理と、三四郎の心理とを考えながら読んでいくとき、私自身が「ストレイ・シープ」(迷羊)になったかのような錯覚に囚われた。

    象徴的なラストに、これぞ小説と思わずうなりたくなる、名作。
  3. 1Q84 a novel BOOK2

    なぜ今、「1984」なのか?
    「1984年」は社会を鋭く風刺したジョージ・オーウェルが1949年に著した小説で、世界の全てを影で牛耳る支配者たち「ビック・ブラザー」の存在を示唆した作品です。

    舞台は近未来全体主義国家で、あらゆるものが権力に管理される社会への危惧が描かれています。

    なぜ村上春樹は、今「1Q84」を書く「必要」があったのでしょうか?時は、100年に一度の不況と言われ、それは、「テロとの戦い」の時代という大きな文脈の中で、金融危機のまっただなかにあります。このことと、「1984年」とを照らし合わせてみたときに一体何が浮かび上がってくるのでしょう?

    「世界に偶然などなく、すべての裏には何らかの意図が隠されている」とは、よく言われることです。もしかしたら、いま社会で起こっているあれも、これも、みんな起こるべくして、いやもっと言えば、起こそうとする意思があって、計画どおりに起こっているのかもしれない。こういうメッセージを村上春樹が私たちに伝えようとしているような気がしてならないのです。
  4. ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

    右翼左翼を超えた「真の日本人」へ
    人間は歴史を学んで動物から人間になるとはよく言われますが、「正しい」歴史解釈と、史料が殊更に重要なのだと改めて思いました。

    天皇の本質は祭祀王としての役割にあります。権力は持たず、権威を持つことで独裁政治を防いできました。そのおかげで、日本は中国などと比較して、どれだけ平和であったかという事実が浮かび上がってきます。

    民の中心として(社会で権威ある存在がなければ、いたずら秩序が乱れ暴力が蔓延するだけ)公平に民の幸せを祈ること、祖先の伝統を受け継ぎ日本を守ること、これが天皇の勤めです。現実レベルの問題で見ればさらに、天皇には国民が持つ多くの自由がありません。そうして毎日毎日、あなたのために祈り続けているのです。

    感動した幾つもの史実のなかで、いたく感動した、摂政の聖徳太子について簡単に紹介します。彼は、時期を得た絶妙な機微によって、中国への、日本の朝貢関係から、対等関係へと昇華させたのです。このような天才的な祖先のおかげで日本の今があると思うととても誇らしい気分になります。なぜだか、涙さえあふれてくるほどです。
  5. 戦争論争戦

    内容はともかく
    内容というと、世代ギャップからなのか、それとも根本的な立場の違いからなのか定かでありませんが、全体的に物別れで終わってる感があります。

    それでも、十年前の対談を見ると言うのは、その時点での予想が現在で実際にはどうなっているかという視点からも、面白かったですし、議題が古臭くない所をみると、問題はいつも変わらないんだな、と気付かされます。

    田原総一郎氏の切り込み方はさすがと言うべきか痛快ですね。それに対して小林氏もしっかり応酬するし、最後は双方とも、ヒートアップ姿が目に浮かびます。

    対談ということで、内容の濃密さというよりは分かりやすさ重視、ロジックの厳密さよりはキャラクターの魅力重視で、個人的には楽しめる本でした。

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