投稿レビュー (投稿数:88件)
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- 甘えと幼さが主軸
- 読んだ人によって両極端な感想になりそうな作品。
主人公の春巳(受け)は、22歳になっても将来のことを全く考えず、遊んでばかりいます。その春巳のことを好きな真部(攻め)は、春巳の自己中心的な要求(例えば早朝に「迎えに来い」だとか)に応えているのですが、それが春巳の傲慢さに拍車をかけています。
幼稚園児をそのまま大人にしてしまったかのような、幼く我が儘な春巳に散々苛々させられながらも、その他人に依存したいという気持ちだとか、甘えたいという気持ちは理解できました。
が、理解できたものの、共感には結びつきませんでした。それぐらい春巳が幼いせいなのか、ともかく一般人の常識を越えた幼さです。
読んでいて不快になるかもしれない一方で、どこか身に覚えのある感情を春巳が体現しています。
ところで、砂原さんの文章は好き嫌いが別れるような気がします。ちなみに、自分はどちらかというと苦手な方(嫌いとまではいかない)。
地の文(基本三人称)に一人称がかなり入ってきます。ご注意を。
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- 若干パターン化しているものの
- 楢崎さんの作品は若干パターン化していて、飽きなくもないのですが、今回の作品はパターンに乗っ取っていながらも楽しく読めました。
日本を代表する俳優と、製薬会社のサラリーマンの話。
たいていBLで俳優が出てくるときは傲慢だったり影があるという設定だったりして、その度に「またかよ」という印象を持つのですが、この作品の俳優はBL作品における俳優らしくないワンコさ(一途さ)が前面に出ていて、なかなかに可愛かったです。
ワンコ×ツンデレのカップリングが好きな方は結構ツボなんじゃないでしょうか。
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- 番外編が全体の半分近い
- 表題作の「暴れる犬」の番外編、「迷える狼」が全体の半分近くを占めていました。表題作の主人公の元彼が主人公の話なのですが、自分はどちらかというとそちらが好みだったので、嬉しいところです。
「暴れる犬」は、いわゆるわんこ攻めツンデレ受け。王道なカップリングですが、動作が可愛らしく描かれているので、読んでいて微笑ましいです。
「迷える狼」は、悩めるオヤジ攻め不器用受け。オヤジといっても36歳で、その微妙な立ち位置と将来への不安、不器用さがバランスよく出ています。受けはちょっと天然入り気味の臆病な子で、可愛い。女々しくはないですがね。
絵がそこまで描き分けられているとは思いませんが、好きなタッチです。
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- 歪んだ側面
- 六作の短編集ですが、桐野氏の長編に見られるような「悪意」であり「歪み」が随所に見られました。
主人公が他者に対して何らかの危害を加えていたり、あるいは迷惑・犯罪チックな行為をしている場合もあれば、他者の歪みを描いている場合もあり、多様性が見られます。
当たり前のように続いている人間関係がふとしたことで崩壊したり、思っていた人間関係が実際と異なったり、我々の生活の中でも普遍的な部分が感じられました。
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- セクシーなオヤジ
- あまり有名ではない作品ですが(おそらく)、話の密度が濃く、小説を読んでいるような感覚です。
使用者を吸血鬼化する「ヴァッサロード」という薬を巡る話で、「吸血鬼」という意味ではSF的ですが、展開としてはミステリ小説に近いものがあります。
吸血鬼のレイフロと、(元?)ヴァンパイアハンターかつ吸血鬼のチャールズがなんとも魅力的……というかセクシーで(特にレイフロ)、BL的な空気も楽しめます。そういう要素が強いので、好き嫌いが別れるでしょうが……。
背景の書き込み、細かな伏線などから、作者自身がこの作品を楽しみ、好きである様子が伝わってきます。
BL要素が問題ない方なら、話の展開も楽しめ、ついでにキャラクターはみんなセクシーで(本当にフェロモン垂れ流しな感じ)、密度の高い作品に感じられるのではないでしょうか。
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