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投稿レビュー (投稿数:87件)

  1. 偏愛プリンス

    若干パターン化しているものの
    楢崎さんの作品は若干パターン化していて、飽きなくもないのですが、今回の作品はパターンに乗っ取っていながらも楽しく読めました。

    日本を代表する俳優と、製薬会社のサラリーマンの話。
    たいていBLで俳優が出てくるときは傲慢だったり影があるという設定だったりして、その度に「またかよ」という印象を持つのですが、この作品の俳優はBL作品における俳優らしくないワンコさ(一途さ)が前面に出ていて、なかなかに可愛かったです。

    ワンコ×ツンデレのカップリングが好きな方は結構ツボなんじゃないでしょうか。
  2. 暴れる犬

    番外編が全体の半分近い
    表題作の「暴れる犬」の番外編、「迷える狼」が全体の半分近くを占めていました。表題作の主人公の元彼が主人公の話なのですが、自分はどちらかというとそちらが好みだったので、嬉しいところです。

    「暴れる犬」は、いわゆるわんこ攻めツンデレ受け。王道なカップリングですが、動作が可愛らしく描かれているので、読んでいて微笑ましいです。

    「迷える狼」は、悩めるオヤジ攻め不器用受け。オヤジといっても36歳で、その微妙な立ち位置と将来への不安、不器用さがバランスよく出ています。受けはちょっと天然入り気味の臆病な子で、可愛い。女々しくはないですがね。

    絵がそこまで描き分けられているとは思いませんが、好きなタッチです。
  3. 錆びる心

    歪んだ側面
    六作の短編集ですが、桐野氏の長編に見られるような「悪意」であり「歪み」が随所に見られました。
    主人公が他者に対して何らかの危害を加えていたり、あるいは迷惑・犯罪チックな行為をしている場合もあれば、他者の歪みを描いている場合もあり、多様性が見られます。
    当たり前のように続いている人間関係がふとしたことで崩壊したり、思っていた人間関係が実際と異なったり、我々の生活の中でも普遍的な部分が感じられました。
  4. Vassalord.   3

    セクシーなオヤジ
    あまり有名ではない作品ですが(おそらく)、話の密度が濃く、小説を読んでいるような感覚です。
    使用者を吸血鬼化する「ヴァッサロード」という薬を巡る話で、「吸血鬼」という意味ではSF的ですが、展開としてはミステリ小説に近いものがあります。

    吸血鬼のレイフロと、(元?)ヴァンパイアハンターかつ吸血鬼のチャールズがなんとも魅力的……というかセクシーで(特にレイフロ)、BL的な空気も楽しめます。そういう要素が強いので、好き嫌いが別れるでしょうが……。

    背景の書き込み、細かな伏線などから、作者自身がこの作品を楽しみ、好きである様子が伝わってきます。
    BL要素が問題ない方なら、話の展開も楽しめ、ついでにキャラクターはみんなセクシーで(本当にフェロモン垂れ流しな感じ)、密度の高い作品に感じられるのではないでしょうか。
  5. 向日葵の咲かない夏

    違和感だらけ
    このミス一位の作品ということで期待したのですが、違和感が多々ありました。
    人物が年齢の割に大人びていて行動力がありすぎたり、死者が生まれ変わるという事実を多くの人がすんなりと受け入れてしまっていたり。そういう非日常的なことを扱うのはいいとして、「死者が生まれ変わる世界」の話ではないんだから(我々の現実と同じはず)、違和感を抱かない人々に疑問がありました。
    主人公が最後に胸の内を語るシーンも置いてけぼりな感じがしましたし、情景や感情の動きも、あまり迫るものがありません。
    前半のエピソードはたいして後半に生きてこないし、とにかく、違和感が多かった。

    一人称における事実の曲解を扱っている点はよかったのですが、どうも描き切れていない感じがしました。
    結構、好き嫌いの別れる小説だと思います。

    最後に、ずいぶんと解説の方が偉そうに語っていますが、あまり説得力のない文章でした。

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